幸せポイント
それとほぼ同時に「え?」と首をかしげていた。


あたしがいた場所はさっきまで眠っていた旧校舎の実験室のテーブルの上だったのだ。


周囲を見回してみても間違いなくそこは実験室。


もしかして、あたしは夢を見ていたんだろうか?


実験室の窓から飛び降りて死ぬなんて、ろくでもない夢を。


そう思い、ふっと笑みを浮かべた。


「そうだよね。自殺なんてできるワケないって」


あたしはそう呟き、テーブルの上に上半身を起こした。


美鈴たちに合わせて会話することもできなくて、イジメに意見することもできないあたしが、自殺なんてできるワケがない。


心の中の願望をそのまま夢でみてしまったのだろう。


あたしは大きく伸びをしてテーブルから下りた。


スマホで時間を確認すると、とっくに授業が終わっている時間だった。


「帰ろ―っと」


そう呟き、ふと窓を見た。
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