幸せポイント
困り果てた両親はあたしをここへ連れて来て遊ばせてくれた。


機嫌がよくなったところで、あたしは怜人と喧嘩した経緯をすべて話すことができたのだ。


そしてその日の内に怜人と仲直りをすることができた。


すべてを思い出してあたしは両親を見た。


両親はなんでもないような表情をしているけれど、ここへ来た理由は1つしかないとわかった。


学校でのことを、ちゃんと話してほしいと思っているからだろう。


あたしは息を吐き出して空を見た。


澄み渡った心地いい空に、子供たちの笑い声が登って行く。


「あたし、今まで生きてるっていう実感が薄かったんだと思う」


不意に話し始めたあたしに、両親はなにも言わなかった。


だけど、ちゃんと聞いてくれているということもわかっていた。
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