幸せポイント
「やぁ、俺は天使」


イケメンはそう言い、ニコッと笑った。


瞬間、あたしは弾かれたように窓を閉めていた。


バタンッ!と窓を閉める音が響く。


やっぱりあたしはまだ夢を見ているんだ。


窓の真下に金髪のイケメンがいて『やぁ、俺は天使』なんて言うはずがない。


だいたい、ここは3階だ。


目の前に人が立てるような場所もない。


「きっと疲れてるんだ。早く帰って寝よう」


そう呟いてドアへと歩き始めた時だった。


ガラッと窓が開く音が聞こえて来てあたしは足を止めた。


「返事くらいしてくれたっていいだろ?」


ムスッとした声が後方から聞こえて来る。


あたしの体は硬直し、冷や汗が背中に流れて行く。
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