幸せポイント
☆☆☆

翌日、あたしは昼前に目を覚ました。


リビングへ下りて行くと新聞を呼んでいうお父さんと昼ドラを見ているお母さんがいた。


「おはよう」


そう声をかけると返事が返って来る、ごく当たり前の日常。


「2人とも、今日はどこにも出かけないの?」


遅い朝ご飯を食べて着替えをしても2人はリビングから動こうとしない。


だからあたしから声をかけた。


どうせ『幸せポイント』を獲得するために外出する予定だった。


それなら、1人より3人の方が楽しい。


「蘭はどこに行きたい?」


単行本を読んでいたお父さんが顔を上げてそう聞いて来た。


「どこでもいいよ。どこか、人が沢山集まる場所」


「また遊園地に行く?」


お母さんにそう言われたので「それでもいいよ」と、返事をした。
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