幸せポイント
あたしは誰にも聞こえないようにポツリとつぶやいた。


いい子ぶる気なんてなかった。


ただ、人の悪口はいけない事だったし、聞きたくもなかった。


困っている人がいれば助けるのは当たり前だったし、特別な事をしているつもりもなかった。


だけど、そんなあたしの行動は一定の人から見れば『偽善』だったのだ。


良い事をして自己満足に浸っている。


ナルシスト。


そんな風に言われるようになっていた。


最初の内は気になんて留めていなかった。


言いたければ言えばいい。


だけど、あたしが庇ってあげていた子が、あたしの悪口を言っていたことはさすがに傷ついた。


どれだけ優しくしても、どれだけ手を差し伸べても、あたしを嫌う人はいる。
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