幸せポイント
『君、さっき死んだから』


それもまたドデカイ爆弾を落とされたような感覚だった。


あたしは振り向いてしまった。


あたしの前に自称天使のイケメンがほほ笑んでいる。


その背中には大きな白い羽がついている。


コスプレの小道具にしては丁寧に作り込まれた羽だ。


あたしは無意識のうちに手を伸ばし、その羽に触れていた。


瞬間、温もりを感じた。


昔インコを買っていたから鳥の羽が暖かい事は知っていた。


それと同じ温もりが、自称天使のイケメンが付けている羽にも感じられたのだ。


「ん? なに? 羽が珍しいの?」


自称天使はそう言い、あたしに背中を向けて羽を見せてくれた。


真っ白な羽は時折銀色に輝いて見える。


「てん……し?」


「そう。俺、天使ね。で、君は死者」


「ししゃ……?」


「そう。死んだ者の方の死者ね」


クルリとこちらを向いてニコッとほほ笑む自称天使。
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