幸せポイント
「でもあたし、生きてるけど」


「そう、そうなんだよねぇ」


途端に自称天使は困り果てた顔になった。


眉を下げ、猫背になり盛大なため息を吐き出す。


その光景に盛大な突っ込みを入れたくなったが、グッと我慢した。


なにがなんだかわからないけれど、自称天使が窓の外にフヨフヨと浮いていた事は事実なのだ。


自称天使が人間ではない可能性は極めて高かった。


人間以外の者と会話をすることなんて生まれて初めての経験で、あたし自身も混乱している。


それに、これが夢だという可能性も大きかった。


夢なら突っ込みなんて入れなくても勝手に目が覚めてくれるはずだ。


「君さぁ、生前可もなく不可もなくだったよねぇ」


自称天使が困ったように金髪の頭をポリポリとかいてそう言って来た。


「はぁ……?」


何に対しての可もなく不可もなくなのかわからなかったので、曖昧に頷いた。
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