幸せポイント
「意味がわからねぇな」


正樹はそれでもひるまなかった。


あくまでの知らないという事を突き通すつもりらしい。


「高校生にもなって、恥ずかしいと思わない?」


「あんたたちのせいでこのクラスでイジメがあると思われるでしょ」


「っていうかさぁ、そのイジメの原因って正樹の勘違いだったんだろ? いい加減謝れば?」


次から次へと浴びせられる言葉に、正樹の顔は真っ赤に染まって行く。


怒りを抑えているのかもしれないが、それがいつまでもつかわからない。


教室の中には緊迫した空気が流れ、息をしても苦しさを緩和されなかった。


その時だった。


不意に久志が立ち上がり、正樹たちに近づいたのだ。


止める暇はなかった。


「おはよう、正樹」


そして、ごく当たり前のように挨拶をした。


なんで、おはよう?


そう思ったけれど、今はホームルーム前だ。


おはようという挨拶が妥当であると気が付いた。
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