幸せポイント
確かにあたしは成績にしても生活態度にしても可もなく不可もなくといったところだったからだ。


「その中途半端な感じじゃ天国に行くか地獄に行くか、こっちでは決められないわけ」


「へ? でもあんた天使じゃん? ってことは、天国なんじゃないの?」


あたしはやたらキラキラと輝いている自称天使へ向けてそう言った。


そろそろ目がチカチカしてきたところだ。


「確かに俺は天使だけど、君を迎えにきたわけじゃないよ。天国にも地獄にも行けない事を説明しに来たんだ」


「へぇ、そうなんだ? じゃぁ、そのままあんたが連れて行ってくれればいいじゃん」


「だーかーらー! それが無理だって話を今してるんだよ!」


自称天使はあたしの言葉にイラついたのか大きな声を出してしかめっ面をして見せた。


そうなのか。


ダメなのか。


「だけどあたしは地獄にも行けないんでしょ? どうするの?」


「そう、そこなんだけどね。天国にも地獄にも行けない人間はこの世に止まって地縛霊になってしまうしかないんだよ」


「地縛霊……ってなんだか嫌な感じだね。呪いとかで出てきそう」


「うん。まぁそんな感じだね」


「でも大丈夫だよ、あたし、誰かを呪いたくて死んだわけじゃないし」


その辺に関しては全く問題ない。


ここに縛られることになったとしても、人を傷つけようだなんて考えは毛頭ないんだから。
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