幸せポイント
クラス内の構図は完全に崩壊している。


今や正樹たちは動物園の動物と同じだ。


檻に入れられたまま見世物になっている。


途端に、ガタンッ! と大きな音を立てて正樹が立ち上がった。


椅子がそのまま後ろに倒れる。


「なにこいつ、怒ってんの?」


「怒らせるとなにされるかわっかんねぇぞ?」


普段なら正樹の威圧感に屈していた彼等だが、もう正樹の言いなりにはならない。


わざと正樹を怒らせるような言葉を連発している。


正樹はしばらくその場に突っ立って相手を睨み付けていたけれど、やがて無言のまま教室を出て行ってしまった。


「あ、待って!!」


美鈴が後を追いかけようとして立ち上がる。


その行く手を阻むように、今度は女子のグループが立ちはだかった。
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