幸せポイント
「あんたと香織の事ももうみんな知ってるよ? 空家に久志と蘭を連れ込んでなにしようとしてたわけ?」


鋭い質問が飛ぶ。


美鈴は正樹の行方を気にしながらも動けなくなってしまっている。


青い顔をしたまま香織を見るが、香織はサッと視線をはずしてしまった。


仲間だったはずの衛と俊文も、美鈴を助けようとはしていない。


彼等の友情は見せかけだけの薄っぺらいものだったのだ。


イジメという接着剤が消えた今、彼らを繋ぐ役目をするものはなくなった。


「このサイトに2人の動画をUPしようとしてたんでしょ?」


そう言った生徒の手にはスマホ。


ここからじゃ画面までは見えないけれど、美鈴たちが言っていたのと同じサイトが表示されているのだろう。


美鈴は何も言わない。


「あたしたちがあんたと香織を撮影してあげようか? レズ動画も結構人気になると思うよ?」


そう言うと、クラス中から笑いが起こった。
< 215 / 236 >

この作品をシェア

pagetop