幸せポイント
「やめなよ」


彼女たちを真っ直ぐに見て、そう言った。


まさかあたしが止めに入るとは思っていなかったのだろう、彼女たちは驚いたように顔を見合わせた。


「なんで? 蘭はあんなにひどい事をされたんだよ?」


「そうだね。だけど、起こった出来事に関しては大人たちが対応してくれる。きっと、美鈴たちはこの学校にもいられなくなる。


ちゃんと罪を償うのなら、あたしたちが仕返しみたいな事をする必要はないよね?」


そう言うと、彼女たちはたじろいて目を伏せた。


「それに、あたしや久志がそんな事をしてほしいなんて、言ったかな?」


そう聞くと、彼女たちは左右に首を振った。


「それならもうなにもしなくていいよ。あたしはこんな事望んでない」
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