幸せポイント
教室の中が静かになる。


これでみんなが少しでも気持ちを入れ替えてくれたら……。


そう、思った時だった。


「偽善者」


それはとても小さな声だった。


いつもなら教室の喧騒にかき消されてしまうような、小さな小さな声だった。


それなのに、ちゃんとあたしの耳まで届いて来た。


きっとあたしだけじゃない、クラス中に聞こえていた。


その証拠に微かな笑い声が聞こえて来る。


偽善者。


その言葉が胸に突き刺さる。
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