幸せポイント
華奢なように見えたけれど、やっぱり男の子だ。


その体はガッシリとしていて、立派な筋肉がついていた。


もし、もしもの話だけれど、テンちゃんが普通の人間だったら、あたしと同じくらいの年齢だったかもしれない。


そうしたら、あたしはテンちゃんの事を好きになっていたかもしれない。


だって、こんなに優しくてカッコいい男の子なんて、あたしは今まで出会った事がない。


「蘭ちゃん、俺はそろそろ行かないと」


テンちゃんの手が離れて行く。


あたしはテンちゃんから離れたくなかったけれど、仕方がないことだった。
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