幸せポイント
「テンちゃんは今その非常識な事をしているのを理解してる?」
そう訊ねると、テンちゃんはとたんに笑顔に戻り、そしてなぜだか胸を張ってふんぞり返った。
「今日は仕事で来たんだ」
「仕事?」
「そう。今日1日の『幸せポイント』を集計して、スタンプを押しに来た」
テンちゃんはそう言い、どこからともなく花丸形のスタンプを取り出した。
あたしは目をパチクリさせてそれを見つめた。
「1日の最後に集計してスタンプを押しに来るのが俺の役目」
「それってこの時間じゃなくてよくない?」
24時間間隔ならいつだっていいはずだ。
たとえば休憩時間中の昼とか、夕方家に帰ってからとか。
なにも非常識な時間帯に来る必要はない。
それを伝えるとテンちゃんは怒られた子犬のように肩を落としてしまった。
「……それもそうかも」
そう言い、申し訳なさそうな瞳をこちらへ向ける。
耳がついていれば完全に垂れ下がっているところだろう。
そんなテンちゃんを見ているとなんとなく申し訳ない気持ちになってきて、あたしは「もう、いいよ」と言っていた。
そう訊ねると、テンちゃんはとたんに笑顔に戻り、そしてなぜだか胸を張ってふんぞり返った。
「今日は仕事で来たんだ」
「仕事?」
「そう。今日1日の『幸せポイント』を集計して、スタンプを押しに来た」
テンちゃんはそう言い、どこからともなく花丸形のスタンプを取り出した。
あたしは目をパチクリさせてそれを見つめた。
「1日の最後に集計してスタンプを押しに来るのが俺の役目」
「それってこの時間じゃなくてよくない?」
24時間間隔ならいつだっていいはずだ。
たとえば休憩時間中の昼とか、夕方家に帰ってからとか。
なにも非常識な時間帯に来る必要はない。
それを伝えるとテンちゃんは怒られた子犬のように肩を落としてしまった。
「……それもそうかも」
そう言い、申し訳なさそうな瞳をこちらへ向ける。
耳がついていれば完全に垂れ下がっているところだろう。
そんなテンちゃんを見ているとなんとなく申し訳ない気持ちになってきて、あたしは「もう、いいよ」と言っていた。