幸せポイント
「もう1つ、教えて」


「なに?」


「今日、ペンを拾った時と洗濯ものを畳んでいた時、相手が『ありがとう』って言った時にその人が輝いて見えたの。それって、なにか関係ある?」


そう聞くと、テンちゃんは大きく頷いた。


「よく気が付いたね。あの光はすぐに消えてしまうから、気が付かない人も多いのに」


「あの光はどういう意味?」


「この『幸せポイント』を使っている人だけに見えるようになる、特別な光さ。相手が『幸せ』を感じた時に見えるんだ」


やっぱり、そうなんだ。


テンちゃんに今日のいい行いを聞いた時、その共通点が光であると気が付いていた。


あたしが何かをやって、相手が輝けばその時に『幸せポイント』が入っていると考えればいいんだ。


「じゃ、俺はもう行くよ。明日も頑張って」


テンちゃんはそう言うと、スッと姿を消してしまったのだった。
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