幸せポイント
☆☆☆

だけど、世の中はそんなに簡単にはいかないようだった。


昼休み中。


あたしは1人でトイレに立った。


いつもなら友人たちとゾロゾロとひきつれて移動するのだけれど、今日は美鈴と香織の姿がなかった。


2人が教室に居ない事は気がかりだったけれど、その間にあたしは好きなだけ良い行いをすることができたと思う。


みんなが「ありがとう」という言葉と共に金色に輝くのをもう10回は見たと思う。


今日はテンちゃんに会うのが楽しみだ。


そう思って女子トイレを開けた。


瞬間、目の前に背中があって危うくぶつかりそうになり、足を止めた。


「ごめぇん、今ここ使用中なんだぁ」


そんな声が聞こえて来て顔を上げてみると、目の前に立っていたのは香織だった。


香織はあたしを見た瞬間「あれ、蘭？」と瞬きをした。


「香織、こんなところでなにしてるの？」
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