幸せポイント
あたしはその場に立ち尽くして香織と美鈴を見た。


「なに……してるの?」


別にあたしがイジメられているワケじゃないのに、そう訊ねる声が震えてしまった。


背中に冷たい汗が流れて行き、呼吸が乱れるのを感じた。


あたしはブラウスの第一ボタンを外して呼吸を整えた。


「なにって、遊び?」


美鈴がそう言い、クスクスと笑った。


遊び?


これが?


どう見たって久志が1人でイジメられているようにしか見えない。


久志の制服には複数の足跡が付いていてボロボロになっている。


ここで踏みつけられたりしたのだと、安易に想像できた。
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