幸せポイント
『お前ら』の中に自分も含まれていることにひどい嫌悪感を覚えた。


正樹や美鈴たちの仲間になった覚えなんてない。


「正樹、お金は?」


美鈴がそう聞きながら近づいていく。


あたしは香織の後ろについてゆっくりと足を進めた。


こんな公園で何をしているのか、よくないことであることはなんとなく想像がついた。


「今から」


そう言う正樹の足元に久志が横倒しになっているのが見えた。


制服は泥で汚れひどく怯えた表情を浮かべている。


見た瞬間、吐き気が込み上げて来て口もとを押さえた。


草で覆われた公園ではここに久志が倒れていることすら、誰にも気が付かれないだろう。


なんて卑劣な奴ら。
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