恋は突然に 意地悪なあなたの甘い誘惑
「じゃあ、どうすれば?」
隼人は娘に聞いた。

黙っている綾乃に、
「綾乃、自分の言った言葉には責任を持て。」
珍しく厳しい口調で言った父に、

「…そのサビに入るところで、もっと壮大なイメージを持っているんでしょ?違う?」
今までとは、まったく違う綾乃の話し方にメンバーが驚いた。

「…そうだ。」
カズは小さく言った。
「でも、今の編成でそれ以上の物を出すのは無理だと思うの。限界まで引き上げられてるし、あなたのイメージがどっちかわからないけど、グロッケンかあたしならピアノかな…そのあたりの華やかな音をバックで入れて、駆け上がるイメージ。サビに向けて。そしてサビでももっとロマンチックで壮大な中にも切なさ…そんなイメージにした方が、この曲にも歌詞にも合うと思う。声もすごく低音の甘い声だから。」

メンバーは黙っていた。
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