恋は突然に 意地悪なあなたの甘い誘惑
「いえ、あたしは何もいらないので、何も関わらなかったことにしてください。」
「でも、楽曲を引いてもらってるわけだし。」
「誰かメンバーの人が引いたことにでもしてください。あたしは一切関係ないという事で。失礼します。」
綾乃はガタンと立った。
その様子に、バンと机を叩き
「そんな訳にはいかないんだよ。」
和弘は冷たい声で言った。
「そんな、子供みたいなこと通ると思ってんの?」
「…っ!」
「仮にも竹田プロデューサーの娘だろ?そんな事もわかんないの?」
「うるさいわね!」
綾乃はきっと睨んだ。
「じゃあ、最初から関わるなよ、中途半端に引っ掻き回して、あとは知りません。やっぱりガキだな。」
その言葉に、綾乃はグッと手を握った。
「わかったわよ。おじさん!」
綾乃は大きく息を吐くと席に座った。