恋は突然に 意地悪なあなたの甘い誘惑
「じゃあ、これ読んで。」
藤堂に渡された書類の目をざっと通すと、綾乃はサインした。

「これでいいですか?」
反抗的な瞳で聞いた。
「ああ。じゃあ、これで君もうちに所属してることになったから。」
「え!?」

(- そんなこと書いてあった?しまった!)

「もう、遅いよ。チビ。覚悟しろ。」
その和弘の瞳に綾乃は怒りを滲ませた。

(- いい音楽の為なら、ガキでも使えるものは使うんだよ。)
和弘の瞳がそう言っている気がした。

「この悪魔!」
綾乃は叫ぶと事務所を後にした。
泣くのを抑えながら、家に向かった。
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