恋は突然に 意地悪なあなたの甘い誘惑

「カズ、ラストの曲もうできたのか？」
「竹田さん、すみません、まだできてなくて…。」
「そうか、なるべく急いでくれよ。ヒロも、大体の歌詞のイメージはつけとけよ。」
隼人の言葉に２人は頷いた。

「この曲とこの曲にアレンジを入れて欲しいんだ。ＣＭとのタイアップ曲だからバンドの音だけじゃちょっと物足りない気がするから。」
そう言うと、イヤホンを渡した。
綾乃は流れる音源と、譜面を見ながら聞いていた。

（－　明るくて華やかな曲…。）

「こっちの曲は、シャンプーのＣＭの曲、こっちはチョコレートのＣＭ」

（－　どっちもＣＭの曲ね…。さすが人気物だ。知らなかったけど。）

綾乃は黙って聞いていた。
「少し時間下さい。」