恋は突然に 意地悪なあなたの甘い誘惑
「ああ。ありがとう。」

綾乃は驚いて和弘を見た。
「何?」
和弘は怪訝な顔をした。
「イヤ…。お礼言われるなんて思ってなかったからびっくりして…。」

「ガキのくせに、うるさい。帰らなくていいなら、シャワーでも浴びて仮眠しろ。俺はもう一曲作らないと…。」
そう言うと、和弘は大きいTシャツを持って戻ってきた。
「これぐらいしかない。ガキが着れるのは。もっとセクシーな女物ならあるけどな。」
その言葉に莉乃はカッとなり、慌ててそのシャツを奪い取ると、部屋を出て行った。

(- シャワー何処よ!)
ガチャっと扉が開いて、
「3番目のドア」
それだけ言うと、扉は閉まった。

時間はいつのまにか深夜の2時を回っていた。
綾乃もいい加減に疲労と、汗とでシャワーを浴びたかった。

(- 仕事場、仕事場、合宿。)
と思い、メガネを取り、シャワーを浴びた。

(- 下着、コンビニで買ってこればよかった…。)

和弘に渡された膝上ぐらいまであるTシャツを着ると、髪を乾かした。
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