恋は突然に 意地悪なあなたの甘い誘惑
ガチャと扉が開き、和弘が入ってきた。
「おはよ。」
和弘はあくびをしながら言った。
「おはよ。」
綾乃はチラっと和弘に目をやって、顔が赤くなるのを隠せなかった。
上半身何も着ず、茶色の髪は顔に少しかかり、恐ろしく整った顔が気だるそうな表情に歪んでいた。
綾乃の様子に気づくと、
「何?おこちゃまには刺激が強いか。」
そう言うと、クスっと笑いわざと、綾乃のそばに来て、画面を覗き込んだ。
「うるさい!」
慌てて、綾乃は目線をそらすと、パソコンに目を向けた。
そんな、綾乃に構うことなく和弘は、今綾乃がつけたアレンジを流した。

「やるじゃん。」
それだけ言うと、ソファに座ると煙草に火をつけた。

「今日も、スタジオ10時だから。お前一度帰る?」
和弘は煙草を大きく吐き出すと、綾乃を見た。
綾乃はその大人の視線にドキッとした。
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