恋は突然に 意地悪なあなたの甘い誘惑

「ダメ！まだ見ないで」
「え？」
綾乃はギュッとカズの背中に腕を回すと、またカズの胸に抱きついた。
「私もこれから恥ずかしい事言うから見ないで」
カズのシャツをギュッと握りしめると、綾乃は言葉を続けた。

「カズさんが、麻衣子さんと一緒にいた所を見て、ショックを受けた理由をずっと考えてたの。なんであんなに他の女の人といることが嫌なのかって。倒れてずっとベッドで考えてて……そこで自分の気持ちに気づいた。一緒に音楽を作ったり、一緒にご飯を食べたり楽しかったんだって。私を私としてみてくれたことも。お前はお前だって言ってくれたこともみんな。嬉しかったの」

そこまで言って、綾乃は大きく息を吐いた。

「私も、あなたが好き」