私に触れて、そして殺して


「おはよう、サラ。今日は君にお客さんだよ」



そう言いながら
トレイを運んできた男

お客さん?
男の後ろから入ってきたのは
思いもよらない人だった



「久しぶりだね」



それは、会いたいと願った相手、三吉さんだ
スーツ姿が懐かしく思える
でも、違和感だらけ

だって、この状況で
三吉さんは平然としている



「そろそろお風呂に入らないとね」


男は私の髪を触りながら言ってきた
どういうこと?
私を助けにきてくれた…わけじゃないの?



『…なん、で?』


状況がうまく飲み込めない私と
少し距離を置き
どこからか持ってきたパイプ椅子に座り
三吉さんはニコッと笑い話しだした

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