私に触れて、そして殺して
「あの男が浮気していたのも、知っていたよ。使うつもりだったけど自爆してくれて手間が省けたよ。君は俺に好意を抱き始めた、思ったより早く堕ちてくれて助かったよ」
椅子から立ち上がり
私に近づいてきた三吉さん
『…嘘、だよね?』
信用したくない
嘘であってほしい
夢であってほしいと願う
でも、虚しい現実
「君はもう、俺から逃げられない。俺の愛で一生生きていくんだ」
『…今までみたいに、新しいアパートで二人で暮そう?』
そう訴えだが
無理だよ、あれは嘘だからと素っ気なく言葉を残し三吉さん部屋を出て行ってしまった
残された私と男
男は無言で私の手首に手錠をはめ、もう片方を自分の手首にはめた
繋がれていたロープは
いつの間にか外れていて
行こうか、と男は歩きだした