私に触れて、そして殺して


本当に会えるんだろうか

そんな不安はすぐに解消された
レンが出て行った数時間後
三吉さんは私の前に現れたのだ



「あいつの言うことを聞くんだ」


『私、何か悪いことした?軽率な行動したことは、謝る…だから、』


三吉さんに近づこうとすると
チッ、と舌打ちをし
ネクタイを緩め
私と距離をとり、パイプ椅子に座った


「あんなの関係ない。俺の愛の中で生きていけばいい。他になにが必要だ?」


『愛って…。今までみたいに…暮らせばいいじゃない?…何が不満なの?』



食事もロクに食べていなかったせいか
少し声を張り上げただけで
グラっと目眩がした


「君を失いたくないんだ。俺は君を愛してる」


なら、と言葉を続けようとした時
部屋にレンが入って来た

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