私に触れて、そして殺して
引っ越しも、結局は
私を安心させる材料だった
私に冷たくしていたのは
自分への依存度具合を確かめるため…
レンは今まで何も話さなかったのに
カタが外れたかのように
話をしてくれた
「あの人は、サラが言う“ミヨシ”じゃないよ」
それが一番衝撃だった
三吉さんは三吉さんじゃない
偽名だとレンは教えてくれたが
本名は教えてくれない
レンを信用するかしないか、
それも、もう面倒だ
『…寝たい』
早く一人になりたかった
今までのこと、今日のことが夢であって
明日になれば
何もかも元どおり…
そんなことがあるはずないが
小さな期待をしながら
目を閉じた
「おやすみ、サラ」
レンはおやすみのキスを落とし
静かに部屋を出て行った