私に触れて、そして殺して


チェストの引き出しを開け
消毒液やガーゼを取り出した


「用意しておいて良かった」


レンは痛々しい私の手首の手当てを始めた
初めは拒んだ私だが
ギュッ、と腕を掴まれ
ニコニコとしているレンが
恐ろしく感じてしまった


消毒液がジンジン染みて痛い
それが現実という証拠だ


「自分を痛めつけたらダメだよ。あの人が悲しむからね」


あの人というのは三吉さん


『こんなことして私が悲しむのは平気なんだ』


もし、本当に私の事を好きだと言うなら
私が悲しむ事をしないのではないか、と思う


「それはあの人の考えだから俺はわからない。でも俺はサラの事が好きだから抱くだけ」


レンは包帯が巻かれた私の手首に
キスを落とした

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