私に触れて、そして殺して


でも、考えたからって
出られるわけではない

レンがこの部屋に訪れない限り
あのドアは開かない
開いたとしても
私があのドアに触れることはできない

私の足首にはベッドの脚から出ているチェーンと、手錠が嵌められている
ベッドの下を見てみると
ベッドとチェーンは何重にも鍵が付いている

外せそうにない…


トイレは行けてもシャワーには届かない
窓もない部屋…
ドアは一つだけ



『はぁ、無理だ』


独り言は虚しいが
言わずにはいられない

レンはいつ来るんだろう?
食事の時が殆どだが
それ以外にも来たことがある
もし私が用事がある場合
読んだら来るのだろうかと疑問が湧く


『…レン?…レン!?』


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