私に触れて、そして殺して


処置をしているレンは
私の方を見ようとはしない
でも、会話は成り立っている


「サラは大事な人だからね」


『…なら、嫌なことはしないで』


「嫌な事か、…それは難しいな」


難しいというのは
痛いことはするということではなく
これからもこの生活が始まる続くという意味なのかもしれない



『三吉さんは…嫌じゃないのかな』


触れられない、と説明された
それは理解できないが
そういう人だと受け入れるしかない

でも、愛してると言った相手が
他の男に犯されているのを見ていたわけだ
その感情、気持ちは理解ができない


「…どうだろうね」


答えに困ったのか
少し声が小さく、濁した感じがした
レンはまだまだ知ってることがある
そう確信した

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