私に触れて、そして殺して


なかなか三吉さんと会うタイミングがない
やっと会えた、と思った時でも
三吉さんは私を寄せ付けず
早々と部屋を出て行ってしまう

私の声と同時にドアが閉まることも…
そんなに私の事が嫌なのかと
思ってしまうほど



『私の事、嫌いですか?』


今日は逃しまい、と
トレイを置いた三吉さんの袖を
ぎゅっ、と掴んで話しかけた

驚いた三吉さんは
私の顔と握られた袖を交互に見て
後ずさりをし始めた



『逃がしませんよ』


三吉さんの歩幅に合わせ
私も一歩二歩と前へ出る


「ーーっ、き、嫌いな訳がない」


私から視線を外しながら
そう言ってくれたが、正直納得できないでいた
三吉さんは離してくれ、と袖を振り払う

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