私に触れて、そして殺して


「凛子、おはよう」


話をした日以来
三吉さんとの距離が縮まった
いつも無言で置いていったのに
今は必ず私に声をかけてくれる


『おはよう』


そして、
一緒に暮らしていた頃のような
笑顔を向けてくれる
この部屋を考えなければ
幸せな暮らしだ


触れられないのなら
それに合わせて
暮らしていけるというのをわかってほしい



「何か必要なものはない?そろそろ、着替えを用意した方がいいね」


『うん、お願い』


シャワーを浴びているが
下着と服はそのままだ
下着は手洗いで洗ったりしているが
それでも清潔とは言えない
レンがいた時は
そういう細かいところまで
気を使ってくれていたな、と思い出す

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