私に触れて、そして殺して
そんなことを考えていると
私の前に三吉さんが立っていた
どうしたのかと、三吉さんを見上げる
三吉さんの手が宙を彷徨っていた
『…無理、しないで』
「本当はこの手で触れたいって常に思っているんだ。どうして触れられないのか、発作が起きてもいいから触れたいって…でも、薬を常時飲む事は自滅に繋がるんだ」
宙を彷徨っていた手は
ギュッと握られ下ろしてしまった
「レンが凛子に触れることで、自分が触れているかのように思うしかなかった。でも、それももう限界なんだ…やっぱり凛子に触れたい」
下ろされた手が再び宙に浮いた
その手はゆっくりと
わたしの頬へ向かってくる
触れてほしいという気持ちもあるが
大丈夫なのかという不安な気持ちもある