私に触れて、そして殺して


自分の鼓動がこんなにも早く
大きく聞こえるものなのか…
呼吸をするのも忘れてしまう

あと少し、あと少し…



ガチャン、という音に
私も三吉さんも動きをする止めてしまった



「へぇ、仲良くやってるんだ」



三吉さんがいるから、姿が見えない
でも、声で誰なのかはわかる



『レン?』


「…っ、もういいのか?」


三吉さんの手は私の頬に触れず
またギュッと握られ下ろされてしまった


「まあね、おかげさまで」


三吉さんが私から離れてしまった
残念な気持ちもあるが
レンへと視線を向ければ
少しばかり痩せたような気がする


サラ、と呼びながら
私へと近づいてきたレン
変わらない笑顔で一安心な部分もある

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