私に触れて、そして殺して


レンが戻ってきたのは
それから暫くしてからだ

三吉さんも来なく
夕食を運ばれる事もなく
諦めて寝ようかと思った時だった



「遅くなってごめんね」


レンは紙袋とビニール袋をいくつか持ち
ニコニコしながら入ってきた
レンは紙袋から
いつも着ている病院着みたいな服と
真新しい下着を数着
ビニール袋から前に買ってくれた
市販のトリートメント

そして、小さな紙袋は
久しぶりに見るファーストフードのものだ



「サラと一緒に食べようと思ってね」


久しぶりに見る袋に
大興奮してしまった
食べよう、とレンの言葉に
嬉しくなってしまった



「食べたら、トリートメントするね」



私の髪を触れながら
食べている私に笑顔で話しかけてくる

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