私に触れて、そして殺して


レンが怒って出ていってから数日
レンは何も変わらない
いつもの笑顔で接してきていた

たまたま
機嫌が悪かっただけ?
それなら、それでいい


私の中で
無かったことにしようとしていた



「はい、今日は温かいスープにしたよ」


残さず食べてね、と
食事をチェストの上に置いたレン


『ありがとう、いただきます』


いつものように
レンが用意してくれた食事を食べる
いつもながら
レンの料理はハズレがない



『…レン、…何か、いれ…た?』


スープも残りわずかな量
いつもと変わらない日常なのに
急に睡魔が襲ってきた

そんなことがあるはずがない、と
レンを見上げると
レンはニコニコしながら私を見ていた


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