私に触れて、そして殺して



「この人が病気で苦しんでいるのは知っていた。人が恋しくなるが好きにならない、て言っていたこの人が、サラに恋をした。俺の方が先なのにって、何度も思ったよ…何度もね」


それでもレンは三吉さんにその事を言わず
三吉さんの事を応援する事にしたという
でも、思った以上に
自分の気持ちが私へと傾いてしまった


「誤算だったよ」


そう言ったレンは
私の髪にキスを落とした


「好意を持った女を抱けば、自然と自分のものにしたくなる。でもサラの気持ちは…俺に向いているように感じたが、やはり違う。サラはこの人を選んだわけだ」



サラに触れることができないこの人に、と
付け加えながら三吉さんをみた

初めて聞く話なのだろうか
三吉さんを驚いた顔をしている

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