私に触れて、そして殺して


やめろ、という三吉さんな声
レンは私に近づき
チェストの引き出したから
以前使っていた手錠を出してきた


「凛子、逃げろっ」


三吉さんの言葉が耳に届いた時には
すでに私の手首は
レンに掴まれていた


「サラ、愛してる」


私の手首にキスをし
そのままカチッと、手錠をはめた
手錠の冷たさなのか
レンの冷たさなのか、
わからないが全身に嫌な悪感が流れる


反対側の手錠を
ベッドの柵へと繋ぐのかと思われたが
それを自分の手首へと嵌めたレン


「これで俺とサラは離れられない」


にっこり笑ったレンに
初めてとてつもない恐怖が生まれた

頭の中で三吉さんが言った
逃げろ、という言葉が何度も繰り返される

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