私に触れて、そして殺して
何故私が
高校卒業後、
どうしても住み慣れた田舎町から出たかった
田舎と言っても
そこそこの店もあるし不自由はしない
誰もが高校卒業後は地元の企業に就職をし
そして結婚、出産をしている
だから知り合いばかり
そんなありきたりの生活にウンザリだった
両親も私にそれを当たり前のように望んだ
私の二人の姉と同じように…
でも私は無理を言って進学を選んだ
何かをやりたかったわけではない
でも、何かを提示しないと
外には出してもらえなかった
『美容師になって、一人前になったら、帰ってきて店を開くの』
美容学校はこんな田舎町にはない
外に出れるならなんでもよかった
田舎町から電車で3時間
秋に一度は連絡を入れ
長期休みになれば
必ず帰省することを条件に
私は初めて一人暮らしをした