私に触れて、そして殺して


これは、どういうことだろう
そんな事を考えながら
私の中で一つ、ある考えが生まれた


もしかしたら
ここから逃げ出せるんじゃないか、と

でも、今までもそのチャンスがなかった
いつも鍵はかけられていて
レンが来なかった間も
何度かドアノブを回したが
決して開くことはなかった


だから期待はしない…
そんなことあるはずがない、と思いながら
私は部屋に一つしかない 頑丈なドアへ向かった



それでも、もしかしたら、という期待が
少しずつ大きくなる
ドキドキ、と鼓動が大きく響き
ドアノブを握りしめた手には
変な汗が滲んでいた
ぎゅっと握りしめドアノブをゆっくり回し
恐る恐るドアノブを手前にひいた


動かないと思っていたドアが動き出した

< 200 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop