私に触れて、そして殺して


気持ちがいい冷たさに目が覚めた
ぼやけた視界が次第にクリアになる


見慣れた天井に安堵するが
誰かがいる気配がした



「目が覚めた?」


その声に横へと視線を向けると
どこかで見たことあるような…

そこには眼鏡をかけた若い男
と、言っても私よりは年上
二十代後半だろう


『あの…、誰?』


男、と言うだけで拒否反応が起こりそうだ
男はにっこり笑いながら
私の目線に合わせるように座り込んだ


「僕のこと、覚えていないんだ…残念。先月、引っ越してきた三吉です」


引っ越してきた?
その言葉に
そういえば
引越しの挨拶をされたな、と思い出したが
それが三吉さんだと、わからない

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