私に触れて、そして殺して
タツヤはどうにか
私の居場所を知りたくて
知り合いや友達に聞き回ったという
でも、当たり前だが
私の居場所を掴めずいた
「凛子の実家もわからないし、誰に聞いても知らないって…。俺は凛子のこと、何も知らなかったんだな…」
ははっ、と笑うタツヤの顔が
とても悲しそうに見えた
私達は恋人だった
でも、お互いちゃんと見ていなかったのかもしれない
『…あの人、とは?』
あの人、
私からタツヤを奪った人だ
タツヤは首を横に振った
「会ってないよ。俺は…凛子とやり直したい」
そう言って私を見たタツヤの瞳は
真っ直ぐで
私がタツヤに恋をした時の瞳に似ていた
とても懐かしく感じてしまった