私に触れて、そして殺して


もう部屋には帰りたくない
引っ越そうにも
まとまったお金が必要だ

敷金礼金なしのところは
退室する時に大変だと聞いたことがある


それに
バイトも変えなきゃ…



そう考えたら
身体中、鳥肌が立つ
部屋もバイトのことも
考えるだけでフラッシュバックしてしまう

大丈夫、大丈夫…と
身体を丸め、自分の身体を抱きしめる


これからどうやって
生きていけばいいのだろうか
こんな状態で働けるのだろうか
やはり言われる覚悟で実家に帰ろうか…



「大丈夫?」


その声に気がつき、目を開けた
さっきまで日差しが入って
明るかった部屋は
電気がつけられていた

仕事から帰って来たのか
三吉さんはスーツにネクタイ姿だった

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