私に触れて、そして殺して


三吉さんの目の前で
レンに犯された時

見て欲しくない
もう、こんなの嫌だ
どうにか逃れたい
いや、消えたい衝動に駆られた

その時の言葉だ
まさか、三吉さんに聞こえていたなんて
思ってもみなかった



「決めるのは、凛子だ」



目の前に来た三吉さんは
私に手を差し伸べた
決めるのは私…

三吉さんに迷いがないか
尋ねようとしたが
三吉さんの顔には迷いがなく
覚悟を決めた顔をしていた



目を閉じ、深呼吸をする
今までのことを思い返す
タツヤに浮気をされ、バイト先の店長にレイプされ…そして三吉さんに助けてもらった

でもそれは、三吉さんの思惑どおりで
監禁され、レンや知らない人たちにも…

確かに謝ってくれた…でも
三吉さんが私にしたことは
絶対に許されることではない

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