私に触れて、そして殺して
レン-番外編-
はぁ、
行ってしまったサラ
本当は止めたかった
サラを探したい、と言われてから
ずっと迷っていたんだ
そして、サラに期待もしていた
もしかしたら
サラなら、止められるかもしれない
でも、無理だった
「まさか、サラに言われるなんて…」
サラは俺の過去なんて知らないはず
なのに、待ってるはずだなんて言ってきた
何も知らないくせに
竹林が風で揺れている
それが二人が会えた事を
知らせてくれたかのように
腕時計を確認する
そろそろ薬が切れる時間だ
サラは薬が切れた状態を知らない
大丈夫か、と心配するが
それも一瞬だ
それを望んで行ったのだから
無意味な心配はいらないだろう