私に触れて、そして殺して


店は2階
外階段を降りる以外方法はない
なのに二人はいない

変だと思い階段を降りようとした時
ガン、という音がした
それは3階へと登る階段
でも今は使われていない


恐る恐る階段を上がると
小さな踊り場に兄貴がいた


「兄貴、何し…てっ、」


声をかけた兄貴の背中
その先にはもがき苦しむ女の子


「何やってんだよっ!」


慌てて兄貴の腕を取り
女の子から離した
大丈夫?と女の子に声をかけると
ぜいぜい息をしながら
何とか返事が返って来た


その場をなんとか取り納め
翌朝、兄貴を問い詰めた
なぜあんな事をしたのか

女の子の方は
自分が無理に誘って嫌な思いをさせたから、と
自分に非があることを言っていた
でも、やっていい事と悪いことがある

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