私に触れて、そして殺して
バスルームから出ると
とても美味しそうな匂いがした
「ほら、早く座って」
そう言われてローテーブルの前に座ると
目の前に一人用の土鍋が置かれた
蓋を開けてくれた三吉さん
中は細かく刻んだ野菜がたくさん
その上にふわふわな卵でとじてある雑炊
空腹の私
三吉さんに聞こえるくらいの
大きなお腹の音が鳴った
『す、すみません』
自分でもまさかこんな大きく鳴るとは
思っていなく、恥ずかしくもなる
「ははっ、元気になってる証拠だね。熱いから気をつけて食べてね」
そう言って三吉さんは
レンゲとお椀を置いて
買い物に行ってくると出ていってしまった
もしかしたら
私に気を使ってくれたのかもしれない